お仕事本がおもしろい！ : コガネムシのつぶやき

　　雨続きでジメジメベッタリの日々とようやくお別れ出来たようです。

　　朝は羽織ものがないといられない、今の流儀だと間違ってると言われそうですが、文字通り『チルい』（chill=寒さ、冷気）のであります。

　　日が上ると初秋らしい爽やかさなので、雨降りの間サボっていた草いじりをしています。

　　午後からは録画番組の消化か読書。

　　先日、図書館で借りて来た本の中でサッサカ読めたのがこの三冊。

　
　　お仕事本というジャンルがあるのかは知りませんが、著者それぞれが携わっている仕事に基づいた内容です。

　　真ん中のムショラン三つ星は何と奇遇な事に昨日のNHKのあさイチで著者のお仕事の現場を見ることが出来ました（刑務所なので、栄養士である著者と刑務官以外の方々はぼかされ声も変わっていました）。

　　右端は広報のお仕事をしている著者が、もし歴史のあの場面で広報がしっかりお仕事してたら、というIFを書いたもので、いちばんフィクション、物語っぽいですが、史実をネタにしているので、歴史のおさらいにもなります。

リスクマネジメント
制度改革
マーケティング
広報テクニック
リーダーシップ

　　の章に分けて色々な事例が載っていますが、　1では『赤穂浪士』ですっかり悪者になってしまった吉良上野介さん、実は領民にとっては名君と言えた方で、浅野内匠頭の刃傷沙汰に対して刀を使う事もなかったからの幕府の判断だったことをしっかり広報出来ていたら違っていただろうと言うお話。

　　2では犬公方と愚公扱いされた徳川綱吉公だって、広報次第で名君として名を残せたかもなども印象的。

　　信長の鉄砲隊の人集めの募集文の末尾に『月刊武将』が選ぶ、天正2年度『天下人に最も近い日本人』『上司にしたくない武将』のいずれも1位に選ばれています、というアピール文など、フィクションならではで笑えます。

　　ムショラン三つ星は刑務所という特殊な環境下で予算面はもちろん、脱走やつまみ食い、凶器となる刃物の扱いなどなど制約の多い中、おいしかったっすという言葉を聞きたくて奮闘する著者と、その配下とも言うべき当番さんたちとの悲喜交々の内容です。

　　プライバシーの配慮のためぼかしていたり抜かしていることもあるでしょうけれど、一般の給食以上に同一の内容を食べてもらうための工夫をこらしているのが分かります。

　　そして娑婆では野放図に飲食していた人たちが制限が多いながら体はもちろん心の栄養も考えてつくられた献立で、ダイエットに成功しシュッとする事例も多く、刑務所の空きが増えてる昨今なので、刑務所ダイエットを売り出せば良いのに、と著者は料理面以外でもなかなかアイデアウーマンです。

　　前例主義の官の代表みたいな刑務所でも食の面から少しずつ変えて行く著者はじめ塀の中の仲間の様子がイキイキと語られていて面白いし、人気レシピの紹介もあり、こりゃうちでも試したいなと思いました。

　　左端は元JR東社員のYouTuberの著者による駅員時代に経験したことが描かれている本。

　　JR東で著者は駅員→車掌→運転士を目指して、車掌になったところでYouTubeの編集の時間が取れなくなり、また戻る可能性も考えつつ退職しています。

　　YouTube配信も職場の理解が得られていた状態で円満退社だったので、職場への愛が感じられますが、にしても、近年、駅員が暴言のみならず暴力を振るわれるような事件もあり、厳しい時はすごく厳しい職場なのがうかがえます。

　　鉄道は不特定多数が多数の駅を利用するので、お店と違い出禁というのが出来にくいですから、カスハラ対策は何とかしてあげて欲しいと思います。

　　その一方で、ゴタゴタ言う相手にはへこへこするより毅然とした態度を取る方が有効だったり、規則上いかんともしがたい割高な追加料金や払い戻し手数料などに対しては『自分も変だと思います』という正直な気持ちで返答したことでお客様が納得された事例も語られていて、なるほど！でした。

　　今回読んだ本のお仕事に限らず、どんな仕事でも苦労がないものはないと思いますが、そこにひと工夫やユーモアを忘れない心があれば、辛いだけにはならずやり甲斐も感じられるのだ、と改めて思います。

　　そう、今やぐーたら主婦の代表気分のワタシだって、工夫したり笑い飛ばしたりして今の境地に……ゴニョゴニョモチャモチャ　f^_^;