「帰ってきたヒトラー」の原作はちょうど2年前の6月に読みました(もちろん、翻訳もの)。なかなか刺激的な内容だったのに、結末をすっかり忘れているというのが情けないこと極まりないのですが、先週の地元紙の映画評の評価も良かったのと、何より、ヒトラーものと言えば、チャプリンの「独裁者」は別として、恐らく大概の作品で酸鼻を極める場面も見なくちゃいけないかも知れないのが嫌だったのが、これは基本がコメディーなので、見てみたいという気持ちになったのが大きいです。

 お金を貰っても、スプラッター系の画面を見なくちゃいけないのは嫌な方で、血を見る場面はせいぜいがミステリーの殺人事件現場(さっと終わる)とか、チャンバラ場面位しか我慢が出来ません(そういえば、今朝のあさイチが恐怖というテーマで、犬恐怖や高所恐怖の方の怖がり具合をチラ見しましたが、私の恐怖はスプラッターものかも知れません)。

 なので、突如蘇って21世紀のベルリンに現れた浦島太郎なヒトラーを、視聴率稼ぎに明け暮れるテレビ局の幹部と、いったんクビになったフリーのディレクターが担ぎ上げていく過程は、笑えるシーンとして、割と気楽に見られました。続きを読む