本日は終戦の日。

 父は確か「終戦じゃなくて敗戦の日」と言っていたかと思います。

 戦前の治安維持法を思わせる特定秘密保護法案なるものが出現し、集団的自衛権の閣議決定などのニュースを、もし父母が存命で見ていたら、どんな感想を持つでしょうか。

 伯父とか祖父とか、近い関係の親戚で、戦闘や空襲で倒れた人はいない我が家。軍医だった伯父はマラリアにより北京で客死。父はその知らせを受けて満鉄に乗り北京に参じたそうですが、大陸系の顔立ちのために、引っ張られて大和ホテルで取り調べを受けたとは、以前も書きました。

 日本が日韓併合をしていた時代、植民地とされた朝鮮半島の人々は格下の扱いを受けて、満鉄に乗るのをとがめだてされる状態だった訳です。

  到着した北京では、日本の兵隊が中国人に自らを背負わせて、あっちへいけ、こっちへいけ、と無理無体なことを言って、中国人が泣きそうになっていた言葉をというのを、最晩年の父が語っていました。「可哀想だけど、どうにもできなかった」と。あれから、わずかな日数で永訣となるのが分かっていたら、もっと詳しく聞いておくべきでしたが、逆に、自らの最期が近いと心のどこかで分かっていての言葉だったのかもと思われないでもないです。

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